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2026/06/12 23:05 |
避暑 2
 

 


俺が初等部に入学したての夏。
 


 


特活の時間、学院の敷地内の森に行くことになった。
 


「自由時間にするから、チャイムが鳴ったらここに戻ること!!いいですか??」
 


 


「「「は-い!!」」」
 


先生の指示に従い、各自好きなように行動しだした。


 


でも俺は木陰で本を読むばかり。
 


ふと視線を上げると、網をもってセミ採りしているグループが目に入った。
 


 


「いいなぁ」
 


そう思いつつも、セミ採りなんかやったら父に怒られてしまう。


それに俺はセミ採りなんかやっている暇があれば勉強したかった。
 


 


そんな俺のところへ、セミ採りをしていたクラスメートがやってきた。
 


「鏡夜くん鏡夜くん!!」
 


 


「どうしたの??」
 


 


「鏡夜くんはセミ採りしないの??」
 


「うん。」
 


 


「どうして??楽しいのに。」
 


 


──どうして?
そんなのわからない。
でもできないんだ。


そうきまっているから。


たぶん。
 


 


「僕はいいよ。」
 


「ふうん。じゃぁこれ持っててよ。僕たち、これから木登りするから」
 


渡されたのはセミが入った虫かご。
 


 


「いいよ。」
 


「ありがとう!!」
 


 


そういって男の子はかけていった。
 


「そんなに楽しいのかなぁ?」
 


 


俺は虫かごをまじまじと見た。
透明な羽をふるわせうるさい鳴き声を発している茶色の虫。
俺はそっと虫かごを開けてセミをつかんだ。
 


「わっっ!!」
 


 


つかんだ場所が悪かったのか、セミがばたついた。


その拍子にセミをはなしてしまった。
真っ青な空へ飛んでいくセミ。


 


「どうしよう...」
 


素直に謝るか、それとも...
 


 


──捕まえる??
 


「よし。」
 


俺は橘から網をもらって、セミを捕まえることにした。
 


 


「きょ鏡夜様、大丈夫ですか!?」
 


「だいじょ-ぶ」
 


 


授業が終わるまであと50分。
俺は虫かごを肩から下げ、森へと進んでいった。 


 


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2008/11/29 21:24 | Comments(0) | TrackBack() | 避暑

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